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2010.05.15

tea time,in the rajdhani exp,india


朝7時、ダージリンの宿hotel prestigeをチェックアウトした。
ニューデリー行きの列車に乗るため、麓にあるNJP駅に向かうのだ。
ここダージリンでは翌日の15日からストライキが始まるのだけど
情報によるとNJP駅までの経由地であるシリ―グリーの町では
今日からストに入っているらしい。
西ベンガル州からの独立を望むダージリン側と
それを拒むシリ―グリー側という対立が生んだスト合戦というわけだ。

僕らはストのことなど知らない頃にチケットを買っていたわけで
いま思えばまあギリギリセーフといったところか。
それでも念のため、予定より1時間早めて出発したのだった。

しかし、と言うか、やはり、と言うか。
またしてもインドの洗礼を浴びることになってしまった。
せっかく早く出たのにシリ―グリー行きの乗り合いジープがない。
バックパックを背負って探せど探せどどこにもない。
どうやらシリ―グリーのストの影響でジープが運行していないらしいのだ。

これは大変困ったことになったんじゃなかろうか、と事態を把握し始めたころに
運良く1台のジープを見つけることができた。
ひとり200ルピー。少し高いがこの際仕方ないとジープに乗り込んだ。

ところが、である。
待てどもジープが出発しない。
出発時間を確認すると、「9時」と呑気に答えやがる。
どうやら他にも乗客を乗せたいらしい。
それじゃ遅いと交渉すると、ひとり600ルピー払えばすぐに出ると言う。
600ルピー……。こんなときは日本円に換算し
「たった1200円じゃないか」と自分を慰めるしかない。
泣く泣く条件を飲むことにした。

なのに、である。
やっと動き出したジープはなぜだか町を一周すると、
満足げにまた元の場所に戻ってきてしまった。
そして都合良くこのジープを見つけた人たちが続々と乗り込んでくるではないか。
そのなかのひとりの外国人に値段を尋ねてみた。
「200ルピー」
ホワイ?である。フザケンナである。イママデノクロウハナンダッタンデスカ?である。
当然のごとく運転手に猛抗議するも奴も譲らず、
結局3人分の席を2人で座っていいからひとり300ルピー、という
よく訳の分からない妥協点に至った。
おまけに出発は結局9時。まったく無意味な2時間だった。

しかし腹の虫の治まらない相方は、支払いのときに
破れて使えない100ルピー札をこっそり紛れ込ませていた。
僕は隠すように、それを運転手に手渡す。
奴は気づかない。
インドを3カ月旅してきて、僕らは相当性格が悪くなったかもしれない。

その後僕たちは無事NJP駅に到着した。
ほぼ諦めていたトイトレインの払い戻しも、相方が粘り強く交渉。
何度とないたらい回しに耐えてなんとか満額(480ルピー)を手に帰還してきた。
出発時間ギリギリに全力疾走で列車に舞い戻った相方の姿は、
それはもう『全力坂』のラストシーンのごとく壮絶であった。
相方、よくやったぞ。

ご褒美はこの旅初めてのAC寝台。
値段はべらぼうに高いが、エアコンだけでなく3食+おやつまで付いてくる。
安い席のチケットが取れずに仕方なく買ったものだけど
たまにはこんな贅沢もいいもんだ。

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